KHギャラリー銀座では、このたび展覧会「コシノヒロコクリムトへのオマージュ」を開催します。
グスタフ・クリムトは1862年に生まれ、1800年代後半から1900年代にかけて、ウィーンで活躍した画家です。裸体や妊婦など、さまざまな女性が登場する装飾的な画面で知られ、特にエジプトや日本の伝統的な美術の様式を取り入れた、「金」の作品群が代表的です。先進的なアイデアは、その当時大きな論争を招いたとも言われています。コシノはウィーンで出会ったクリムトの絵画に圧倒され、時代を先取る感性と、その生き様に共感しました。ファッションデザイナーとして、またアーティストとして、クリムトからインスピレーションを得たコシノは、2013年から今日に至るまで、さまざまな表現を試みてきました。本展では、2013年に制作した最大級の作品《WORK #1078幸せの青い鳥》を5年ぶりに披露します。また、ヒロココシノコレクションのためにデザインしたテキスタイルを活かした作品や、墨と和紙を使用したもの、重厚なマチエールと深い色彩の変化が楽しめるものなど、幅広い表情の絵画作品を集めました。さらに、2018年1月放映のNHK「日曜美術館」クリムト特集出演をきっかけに描いた最新作も展示します。流行や常識にとらわれず、独自の美を追求したクリムト。その精神に時代を超えて呼応した、コシノヒロコの革新的な表現をご堪能ください。
WORK 01781
WORK 01078
KHギャラリー銀座では、このたび展覧会
「コシノヒロコデザイナー歴60周年記念出版完成披露展覧会
HIROKO KOSHINO |it is as it isあるがまま なすがまま」を開催します。
この書籍は、1978年から2017年秋冬までのコレクションルックと長年描き溜めてた絵画を一挙に掲載したものです。
本展では、書籍を装幀したグラフィックデザイナーの三木健がギャラリー全体の空間構成をデザインします。
書籍に納められた「空」「然」「素」「組」「耕」「遊」「色」の7章を、8メートルに及ぶ立体的な表現とオブジェにより、ヒロココシノの理念を可視化します。また、コレクション作品と絵画により「HIROKO KOSHINO」の世界をご覧いただきます。さらに洋服と絵画の制作現場を再現し、創作への情熱が直に感じられる空間を創り出します。
コシノヒロコが問い続けてきたのは、「真の豊かさ」。そのライフスタイルは、ファッションやアートはもちろんのこと、衣・食・住・遊・休・知・美の日本の文化と重ねつつ、広く他国の文化も柔軟に受け入れる独自の世界を作り続けることでした。そしてその歴史と思想を社会に還元し、次の世代へ伝えていきたいと語ります。モードとアートを自由に往来する、コシノヒロコの集大成となる本と、創作の軌跡をどうぞご高覧ください。
KHギャラリー銀座では、このたび展覧会「衣の中に見る世界」を開催します。ファッションデザイナーとして60年のキャリアを誇るコシノ。現在も年に2回のコレクションを発表し、時代に先駆けた美しさを提案し続けています。一方で、近年は精力的に絵画作品を発表し、ファッションとアートの両面から独自の世界を創り上げています。本展では、歴代のコレクションから選ばれた洋服作品を「質、形、色」という絵画の造形要素から再解釈した3つの部門で展示し、アートの視点からファッションを捉え直します。平面的で透明なアクリルケースの中に洋服作品を閉じ込めたシリーズでは、作品ごとの素材の違いや、手の込んだ装飾、絵画のような構成といった「質」をつぶさに見ることができます。また他方では、一着のドレスから発想した「形」が無限に広がるオプティカルなインスタレーションを展開します。さらにカラフルなスタイル画ジクレーをKHギャラリーで初公開し、小さな世界の中にきらめく「色」をご覧いただきます。
歴代の洋服作品に「絵画」を見出すことは、ファッションとアートの融合をさらに進める一歩となるでしょう。人のかたちを超えて感覚世界を拡張する、今までにない試みをご高覧ください。
KHギャラリーでは、このたび「コシノヒロコ The Nature」を開催します。
コシノの絵画作品に現れる、なにかの痕跡や発掘した鉱石のような色とかたち。
本展では華やかな色彩の作品とは対照的な、大自然と時間経過を感じさせる重厚な風格の作品群を集めました。
金や銀、黒を使った渋い色彩の作品は、装飾性を超えて、鉱物や天体のような、遥か昔からある自然物に似た佇まいを備えています。またレリーフ状の作品に見られるかたちと影は、時の経過が作り出した地形のようにも見えます。質感へのこだわりが、その微細な空気感を生み出しています。
描くうちに自然の表情へと近づいていくこと。そして古くからあるものを再構築し、新しいものへ導くこと。それらは人工的なものが大量生産される現代では、貴重な美学です。自然の中にある悠久の時間を想像してください。
《WORK #1667》
KHギャラリー銀座では、このたび「コシノヒロコ The Portrait」を開催します。ファッションデザイナーとして長年、多くのスタイル画を描き続けてきたコシノ。
洋服に焦点が置かれるスタイル画の中では、さながらモデルの役目を果たす人物たち。一方、油彩で描き表された人物たちは、これまで描かれた他のモチーフ以上に力強く、その主役としての存在感を放ちます。
黒く覆われた景色の中を、鮮やかな色彩を纏った少女と生き物たちが戯れる姿は、即興性と自由な発想力が色濃く映し出されるとともに、コシノが幼き日に見た夢を連想させます。また、ユーモラスなフォルムが象徴的な水辺に横たわるシルエットの人物たちは、夏をイメージさせ、同型の2枚の画面を並べることにより場面展開の効果が表れるなど、「物語」を感じさせるのもコシノの人物画の特徴です。
本展では、これら未発表の油彩画の大作をはじめ、大小様々なキャンバスに描かれた女性像、ヒロココシノコレクションの衣装を着用したモデルを油彩画で描いた新作絵画を含む12点を発表します。また、これまでのコシノの人気絵画をジクレー*にリメイクさせた新シリーズも同時に紹介します。コシノが彩る対象への熱い想い、活気に満ちた華やかな空間をお楽しみください。
*ジクレー
デジタル・リトグラフとも言われ、最新のコンピュータ技術を用いた版画技法です。原画の画像をデジタルに変換し、スクリーンを使用せずダイレクトにインクを版画紙やキャンバスに吹き付けます。色彩の発色が美しく、鮮やかな表現を持つ高品質の版画です。
《WORK #1646》キャンバスに油彩 2016
《WORK #1541》キャンバスに油彩 2016
KHギャラリー銀座では、このたび「NIKKO×コシノヒロコ 墨の瞬 -コシノヒロコのおもてなし-」を開催します。洋食器メーカーのニッコー株式会社とコシノの出会いは30年前。以来数々の共同開発から、モダンな器を世に発信してきました。このたび新発表となる「墨の瞬」シリーズは、コシノが描いたさまざまな表情の墨絵を元にデザインされています。コシノにとって、墨の感覚は日本の美の結晶。ニッコーが誇るMade in Japanの洋食器、純白のファインボーンチャイナと出会い、和と洋の美が見事に融合しました。器が持つ無の空間に、白と黒の深遠な世界が表現されています。本展では海外の展示会でも高い評価を受けたこのシリーズを、テーブルセッティングとともにKHギャラリーにて初披露します。同時にコシノが描いた原画作品と新作墨絵シリーズを展示。アートとともにあるライフスタイル、それはコシノが考える、最も上質なおもてなしの在り方です。
またこれまでの親交の歩みを振り返り、発売から30周年を迎えたコシノデザイン食器「藍がさね」を記念展示。花をモチーフにした和洋を問わない器のベストセラーを、遊び心あふれるディスプレイでご覧いただきます。
生活に寄り添い永く愛される名作は、両者の真摯な思いと長年の絆から生まれます。洗練されたしつらいとおもてなしの美学を、どうぞご高覧ください。
コシノヒロコ《WORK #1034》墨、銀箔/木製パネルに和紙
ニッコー株式会社 「煌(KIRA)」シリーズ
KHギャラリー銀座では、このたび「金子國義×コシノヒロコ EROS 2017」を開催します。金子國義回顧展から1年。二度目の競演となる本展では“EROS”をテーマに濃厚な絵画空間を創出します。金子國義は独自の人物画を通して上質なエロティシズムを追求し続けました。金子の絵画に現れる男と女は、限りなく淫らでありながら、近寄りがたい「聖なる世界」を創り上げています。そこには両極の間で揺れ動く人間の崇高さ、生の激しさが刻まれています。コシノヒロコは江戸時代の春画との衝撃的な出会いを経て、男女をモチーフにした油彩画を描きました。生々しく情交が描かれた春画から、コシノは美しい身体のかたちを掬い上げ“EROS”の粋として絵画にします。オイルバーで描かれた人物の表情からは悦びと欲望が滲むようです。春画を元にした油彩画は、コシノが目指す和洋の美の融合とも繋がります。
本展では、金子の“EROS”の真髄とも言える、重厚な油彩人物画とドローイングを壁面に、そして愛用した品々のある部屋を再現し展示します。そこには私室を覗くような官能的な体験が待っています。コシノは探求を続けていた新作油彩人物画を初披露。軽やかな筆跡の春画シリーズや、力強く塗り込めた肖像画など、さまざまな男女を描き出します。二人の描く“EROS”が融けて絡み合う。生の本能を讃える二人が贈る、最も淫らで最も崇高なドラマをご高覧ください。
金子國義《鳥ハ鳴ケリ夜明ケハ来タラン》キャンバスに油彩 1997
コシノヒロコ《WORK#1623》キャンバスに油彩 2016
KHギャラリーでは、このたび展覧会「きものことはじめ -コシノヒロコの着物展-」を、銀座と芦屋の2会場で開催します。
祖父が呉服店を営み、幼少から着物や伝統芸能に慣れ親しんできたコシノ。その結びつきは深く、何度も作品のインスピレーション源になっています。そして10年以上前から、折に触れて手描きの着物を制作し、大切に着てきました。描いたものを自ら身に纏うことは、アートとファッションの究極の融合と言えるでしょう。これらの着物は、松や竹、桜などの日本の伝統的なモチーフが軽やかな筆さばきで描かれていることで、絵画としても鑑賞できる存在感を放っています。本展ではその秘蔵の着物と書、絵画を組み合わせ、スタイリッシュな空間を創り上げます。
銀座展では、ダイナミックに空中を舞う豪華絢爛の3枚組み打掛を中心に、艶やかな着物を展示。対照的に壁面には、さまざまな年代に書かれた書画を展示します。うっとりする彩りと、言葉とかたちの躍動が重なり合い、見るものを煌めきの世界へ導きます。
着物は時代を超えるもの。手描き着物を通じて、新しい時代における日本文化とライフスタイルを、コシノは提案しています。「日本」を捉え直し、世界へ発信していく気運の高まる2017年。ぜひKHギャラリーで、日本の美に包まれた空間をご堪能ください。
コシノヒロコ 《WORK#400》パネル/和紙に墨 2004
KHギャラリー銀座では、2017年1月5日より、コシノヒロコの常設絵画展を開催いたします。
これまで少しづつお披露目してきた小作品も贅沢な空間の中で整列して並べられ、思わず一つづつ見入ってしまうような壁面構成となっています。
また、これまでリクエストの多かった墨を使った作品などをシンプルに展示、前回の展覧会でコシノの油彩画を見逃した方もこの機会にぜひお立ち寄りください。
KHギャラリー銀座では、このたび展覧会「カジ・ギャスディン × コシノヒロコ TIME AND SPACE -時の密度-」を開催します。独自の感覚で絵を描き続けてきた コシノ。油彩であっても西洋の模倣ではない、日本の風土を感じさせる抽象絵画を追求していたコシノが偶然出会ったのが、カジの絵画でした。カジはバングラデシュに生まれ、来日後40年以上に渡り二つの国を行き来しながら精力的に絵画を描き続ける画家です。理知的で抽象的、そして同時にバングラデシュの風土と文化を感じさせる絵画からは、信仰にも似た情趣が感じられます。自分の信じるものだけを一心に描くカジの精神性に、コシノは深く共感し一目で惚れ込みました。そしてカジもまたコシノの絵画に、描くことへの情熱を感じ、かねてより競演を切望していました。
二人にとって念願であった本展では、カジは最新作である大作の油彩画と水彩画を含む緻密な抽象絵画を、コシノは偶然性を引き入れる独自の手法を用いた、KHギャラリー銀座初公開となる油彩画を中心に発表します。二つの世界が響き合う、堂々とした絵画空間が立ち現れることでしょう。「美は時間や空間を超える」と語るコシノ。その言葉には混迷する現代社会の中でも、生まれ育った風土や自身の経験に根ざした美を求めていく決意が含まれています。時を重ねて構築された二人の作家の信頼と、密度の高い絵画空間をご高覧ください。
カジ・ギャスディン《雨の音》手漉き和紙に透明水彩 2016
コシノヒロコ 《WORK#1475》キャンバスに油彩 2015