KHギャラリー銀座は、2012年のオープン以来、ファッションデザイナー・コシノヒロコの絵画や立体作品、ライフスタイルにまで拡がる多様な創作活動をご紹介すると共に、様々な分野のアーティストとのコラボレーション展を開催しています。
本展では、石川県金沢市で350年の歴史と伝統をもつ大樋焼の次代を担う大樋年雄を迎え、コシノヒロコとの二人展を開催します。大樋年雄は、本展のために制作した新作を発表、コシノは初披露となる油彩画、そして本年8月に大樋焼本家十代長左衛門窯を訪ね制作をした陶器を発表します。
大樋年雄の陶器にみられるのは、窯変した釉薬の絶妙な色彩の重なりと気品ある艶。また、伝統的な手捻りの技法によって生み出された独創的なフォルムの作品からは「剛と柔」「動と静」という両義性が感じられます。一方、コシノの油彩による抽象画は、絵具と溶油が幾重にも塗り重ねられることによりできる、奥行きのある画面が印象的であり、これまでのアクリル画とは違う重厚な存在感を放ちます。そして、コシノが制作した陶器には粘土を「切る」ことで立体的なフォルムを創り出すファッションデザイナーならではともいえる手法が見られます。
大樋年雄とコシノヒロコの「美」への飽くなき探究心は、伝統と現代が融合した新しい美のかたちを築き、本展で二人がつくり上げる空間はそれぞれの表現を超えた大いなる宇宙として展開します。