KHギャラリー芦屋では、このたび特別展示「エトリケンジ×コシノヒロコ」を開催します。
エトリの立体作品は、金網を人体に当てて型を取り、造形を加えた「人型」です。身体の表面が浮かび上がり、不確かな存在感が醸し出されます。
その軽やかな佇まいに惹かれたコシノからの呼びかけで、このコラボレーションが実現しました。
平面的な金網から手作業で人の輪郭を作り上げるエトリと、洋服を通して人の精神の豊かさに向き合ってきたコシノ。
二人の作品は共通して、表層のあり方を追求することで、内側にある精神や生命のありさまを描き出しています。
本展ではそれぞれの作品展示に加えて、エトリの人型にコシノが薄手の布を纏わせ、造形するインスタレーションを展開します。
その制作過程は、モデルを前に手を動かして洋服を作るファッションの現場そのものです。コシノの手によって、布のドレープやねじれ、ボリュームが生まれ、たおやかに身体を彩り、いきいきとした躍動感が生まれます。そしてコンクリートの壁面に差し込む夏の陽光が、ドラマティックに空間を演出します。
アートとファッションを通して、人の身体性や精神のあり方を問う、二人の競演をご高覧ください。
エトリケンジ