KHギャラリー銀座では、このたび、日々進化を続けるコシノヒロコの最新抽象絵画展を開催いたします。
コシノはすべての創作において、色と質感を重要視しています。とりわけ抽象絵画は、決まった型や具体的なモチーフがない分、洗練された色とそれに調和する質感がよりダイレクトに表されています。アクリル絵具や墨を中心に抽象絵画を制作してきましたが、2015年の春からは本格的に油絵具を使い始めました。コシノは自身の感覚と発見をもとに、実に軽やかに絵具と戯れます。特に色の深みがゆっくりと変化していく油絵具は、まるでそれ自体がいのちを持っているかのように、予想もつかない表情を見せてくれます。コシノは絵具の変化を楽しむように、描いては眺め、また明くる日に新たなアイデアを絵に吹き込みます。
思いもよらない現象から生まれるのは、まるで大きな自然の一部分のような魅力的なテクスチャー。コシノは自身の抽象絵画に、水のゆらめきや樹々のざわめき、星のまたたきを感じ取っています。自然を愛し、自然の中に身を置いて絵画を制作するコシノにとって、抽象絵画はその美しさを最も的確に表すことの出来る手法でもあります。
自ら描く絵画の中に、思いがけない美しさを発見すること。それは見知らぬ世界への旅のようなものなのかもしれません。
新作抽象絵画で魅せるコシノヒロコのいまを、ぜひご高覧ください。
《WORK #1507》90cm×90cm 2015
《WORK #1509》32.4cm×40cm 2015
KHギャラリー銀座は、2012年のオープン以来、ファッションデザイナー・コシノヒロコの絵画や立体作品、ライフスタイルにまで拡がる多様な創作活動をご紹介すると共に、様々な分野のアーティストとのコラボレーション展を開催しています。
本展では、石川県金沢市で350年の歴史と伝統をもつ大樋焼の次代を担う大樋年雄を迎え、コシノヒロコとの二人展を開催します。大樋年雄は、本展のために制作した新作を発表、コシノは初披露となる油彩画、そして本年8月に大樋焼本家十代長左衛門窯を訪ね制作をした陶器を発表します。
大樋年雄の陶器にみられるのは、窯変した釉薬の絶妙な色彩の重なりと気品ある艶。また、伝統的な手捻りの技法によって生み出された独創的なフォルムの作品からは「剛と柔」「動と静」という両義性が感じられます。一方、コシノの油彩による抽象画は、絵具と溶油が幾重にも塗り重ねられることによりできる、奥行きのある画面が印象的であり、これまでのアクリル画とは違う重厚な存在感を放ちます。そして、コシノが制作した陶器には粘土を「切る」ことで立体的なフォルムを創り出すファッションデザイナーならではともいえる手法が見られます。
大樋年雄とコシノヒロコの「美」への飽くなき探究心は、伝統と現代が融合した新しい美のかたちを築き、本展で二人がつくり上げる空間はそれぞれの表現を超えた大いなる宇宙として展開します。
大樋年雄《大樋黒釉窯変茶碗》12.6cmW×8.4cmH
コシノヒロコ《WORK #1470》(油彩)120cm×120cm
KHギャラリー銀座では、ファッション・絵画・ライフスタイルの分野まで幅広く活動し、多様な形で展開するコシノヒロコの作品世界を季節ごとにご紹介しています。
コシノは幼い頃より着物、文楽、歌舞伎、三味線など、日本の伝統文化に親しんできました。その経験はコシノのクリエーションに多大な影響を与え、西洋文化と融合した独特の世界観をファッションやアートとして生み出しています。
今展覧会では、京扇子・京団扇の伝統美の世界を3つの構成でご紹介します。
まず、コシノの絵画作品を図案にした京扇子、京丸団扇、京団扇48種を展示販売いたします。矩形を離れて切り取られた画面で、新たな生命を宿したかのように墨や筆の動きが生き生きと舞い、大自然を感じさせる涼やかさを放つ作品群です。次に、琳派400年に沸く京都で今年3月に開催された展覧会「RIMPA 8人のデザイナー明日の琳派を創る 扇子・団扇展」(八坂神社常盤新殿/京都)からの巡回展です。そして最後に、今回の作品制作にご協力を賜りました扇子司株式会社伊藤常、小丸屋住井、京うちわ阿以波の3社の代表的な作品も展示します。
夏の風から秋の風への移ろいを感じながら、涼やかな和の世界をどうぞご堪能ください。
KHギャラリー銀座では、ファッション・絵画・ライフスタイルの分野まで幅広く活動し、多様な形で展開するコシノヒロコ(小篠弘子)の作品世界を季節ごとにご紹介するとともに、小篠と親交のある多彩なクリエーターとの展覧会も企画しています。
ファッションとイラストレーションという各々の分野で、日本を代表する表現者であるコシノヒロコと宇野亞喜良。ジャンルを超えた活躍が益々注目を集める両氏が、肖像画という主題で競演する展覧会です。コシノヒロコは、世界各地の民族衣装を身につけた人物画群を中心に、一方の宇野亞喜良は、世界的ミュージシャンの肖像画群から歌舞伎のポスター原画まで、約60点で構成します。2人のアーティストそれぞれの世界が向き合い、多面的に戯れる人間のポートレートたち。新たな切り口で魅せる空間を是非ご堪能ください。
無言劇のように私の中を通り抜ける宇野さんの作品と出会って、もう何年が経つのでしょうか。昔から互いの活躍を意識し、それぞれに舞台を築き上げた今、肖像画を介してその世界を静かに見つめ合おうと思うのです。とは言え、大御所の宇野さんとの2人展、気分は高揚しております。(コシノヒロコ)
ファッションデザイナーのコシノヒロコさんは、まるで画家のように絵がうまい。水墨画から油彩まで、抽象から具象まで、その表現領域は広いのである。その中の肖像画というジャンルで2人展が企画された。同じ空間にぼくの絵のコレクターである岩田照雄さんの好意で50号大の肖像画群をお借りできることになり、ヒロコさんのエネルギーにやっと対応できるような気がしている。(宇野亞喜良)
ファッション・絵画・ライフスタイルの分野まで、幅広く活動するコシノヒロコ。第一線で活躍するファッションデザイナーでありながら、アーティストとしても精力的に創作を続ける姿は、多くの人を惹きつけています。KHギャラリー銀座では、多様な形で展開する小篠弘子(コシノヒロコ)の作品世界を季節ごとにご紹介しています。
描きながら作品を組み立てるスタイルを持つ小篠。その作品は、縦や横の繋がり、下の層と上の層との繋がりを積み重ねていくことで立ち現れ、視覚的な複層性を強めていきます。また、六甲のアトリエで創作を続ける作家として、日本の四季の移り変わりは常に創作のインスピレーションであり、作品のテーマとなってきました。
本展覧会では、月と太陽、光と影、暖と寒など、自然界の様々な対比を主題に制作された、新作を含む約10点の絵画を展示します。2010年にパリ装飾芸術美術館(Mus-e des Arts D-coratifs)で発表された大作は日本初公開です。会場では、常に新しい美を追求してきた小篠の哲学に触れていただくことができるでしょう。
WORK #743, 2011, 88.5×108cm
WORK #742, 2011, 88.5×108cm
KHギャラリー銀座は、2015年9月に開設3年を迎えます。節目となる本年の第10回展では、皇后美智子さまの帽子デザイナーであり、名立たるコレクションブランドのための作品も手がけた帽子デザイナー・平田暁夫氏の作品と、ファッションデザイナー・コシノヒロコの作品を展示いたします。
長年に渡り帽子のオートクチュール “オートモード” の第一線で活躍していらした平田暁夫氏が亡くなられて一年。氏は既成概念にとらわれず、日本の伝統を重んじつつも独創的なデザインを生み出してきました。一方のコシノヒロコも、洋服という枠のなかで同じく日本の美意識や伝統文化を表現し、日本ファッション界の黎明期を大いに盛り上げてきました。
平田氏とのコラボレーションによるコレクションは、エレガントでモード、かつユニークな二人の作風が見事なまでに調和し、多くの人々を感嘆させるものでした。一点一点、細部にまで魂が込められ情熱に裏打ちされた作品は、流行という概念を超え、現代においても独特の存在感を放っています。
自らを育んだ文化芸術を愛し、常に新しい美の創造を目指して挑戦してきた二人のデザイン哲学の輝きを、どうぞご高覧ください。
銀座・並木通りのKHギャラリー銀座では、アーティスト・小篠弘子(コシノヒロコ)の作品を季節ごとに切り口を変えてご紹介しています。
本展に向けて、小篠はこれまでもコラージュ技法などで用いてきた「布」そのものにあらためて着目し、皺(しわ)や襞(ひだ)の形状を用いて、レリーフ状の作品を中心としたシリーズの制作を進めました。ファッションデザイナーとしての美しいフォルムへ抱く情熱が、「描く」という領域を飛び越え、三次元の「作る」世界へと物語を展開させてゆくかのようです。小篠の手により生命を宿した布の結晶は、様々な動植物の姿を介し、やがて無邪気な妖精達の戯れとなって空間に舞い降ります。
本シリーズの先駆けとなった大作とインスタレーション作品も、11月まで開催されていた「BIWAKOビエンナーレ2014」での展示を終え、今回KHギャラリー銀座に巡回し展示されます。
この冬、妖精達のささやきにしばし耳を傾け、これまでにない小篠弘子の幻想世界をどうぞご高覧ください。
WORK #1286「白のファンタジー」, 2014, 220×380cm
このたび、KH ギャラリー銀座では、小篠弘子(コシノヒロコ)の幻想的な絵画世界に、シンガポールで活躍する武田段(Dan Takeda)のフラワーマジックが舞い降り、協奏曲の第二楽章を奏でます。
小篠は本年、3 月~5 月の淡路花博2015 において花にちなんだアート作品の展示、また銀座のギャラリーでは多彩なアーティストとのコラボレーション展示も予定しています。その序章となるような、4 日間のみの特別展示を是非ご高覧ください。
武田段(Dan Takeda)
1981 年、横浜生まれ。日本での研鑽を経て2008 年シンガポールにDAN TAKEDA FLOWER & DESIGN PTE.LTD を設立。ルイヴィトンのシンガポール旗艦店での顧客向けパーティやクリスチャンディオール、シャネルなど多くのハイエンドブランドの店舗ディスプレイが評判を呼び、2013 年には月刊AERA「アジアで勝つ日本人100 人」に選出され冒頭記事を飾る。2014 年英国の出版社Thames & Hudson のOliver Dupon 編「Floral Contemporary」で世界を代表するフラワーアーティスト 32 人のうちの1 人として作品が掲載される。ラッフルズプレイスでのフラワーインスタレーションや国立シンガポール美術館でのデモンストレーション等、アーティストとしての活動も精力的に展開している。
公式サイト(英文)http://www.dantakeda.com
展示イメージ(実際の展示とは異なります)
フラワーアーティスト 武田 段
銀座・並木通りのKHギャラリー銀座では、アーティスト・小篠弘子の作品を季節ごとに切り口を変えてご紹介しています。
本展の作品制作に挑む直前の4月、旅先のギリシャで目にした光景に小篠は大いに感銘を受けます。それは、荒廃した壁を彩るストリートアート(グラフティ)- 時間とともに朽ちゆく物憂げな外壁を鮮やかに塗り替えたアートでした。
本展では、旅先での記憶をもとに、「落書き」という創作行為の原点ともいえる手法、写真コラージュ、同じ文様を繰り返し描くデザイン的要素など、小篠が現在持ちうる技法を存分に発揮しパネル上に再現したオリジナル・グラフィティが並びます。制作総数100点の中から選りすぐった小作品群からは、小篠がギリシャで覗いたカメラのファインダーのひとコマひとコマに思いを馳せていただけるでしょう。時を重ねてきたものに共存する古めかしさと新しさ、時間を経て醸し出される味わいや深み、対する強くビビッドな色彩・・・記憶と自由な発想が織りなす色鮮やかなグラフィティ世界を、どうぞご高覧ください。
なお、同時期に滋賀県近江八幡市旧市街で開催されるBIWAKOビエンナーレでは、「白の世界」をテーマとしたインスタレーションと絵画作品を展示します。視覚的な色鮮やかさとは異なる、小篠のもう一つの作品世界をどうぞお楽しみください。
WORK #1206, 2014, 125×90cm
銀座・並木通りのKHギャラリー銀座では、アーティスト・小篠弘子の作品を季節ごとに切り口を変えてご紹介しています。第7回目となる本展では、小篠が長年にわたり取り組んできた「樹のシリーズ」を展示します。2011年にパリのグランパレで開催されたサロン・コンパレゾンに出品された「聖なるディコトマ」をはじめ、今年1月の自らの喜寿の会にて披露した最新作の屏風まで、計約15点を展示します。「樹は気に通じる」と語る小篠は、自らの制作の拠点である芦屋の自宅兼アトリエに大型の常緑樹センペルセコイヤを植え、とこしえの繁栄を願ってアトリエの名前を「センペル」と名付けました。小篠弘子の「樹のシリーズ」。それは生き生きとした輝きに満ちた制作の軌跡であり、喜びと気を表現した作品群です。今回の新シリーズをどうぞご高覧下さい。
「聖なるディコトマ」2011年