KHギャラリー銀座では、このたび「金子國義×コシノヒロコ EROS 2017」を開催します。金子國義回顧展から1年。二度目の競演となる本展では“EROS”をテーマに濃厚な絵画空間を創出します。金子國義は独自の人物画を通して上質なエロティシズムを追求し続けました。金子の絵画に現れる男と女は、限りなく淫らでありながら、近寄りがたい「聖なる世界」を創り上げています。そこには両極の間で揺れ動く人間の崇高さ、生の激しさが刻まれています。コシノヒロコは江戸時代の春画との衝撃的な出会いを経て、男女をモチーフにした油彩画を描きました。生々しく情交が描かれた春画から、コシノは美しい身体のかたちを掬い上げ“EROS”の粋として絵画にします。オイルバーで描かれた人物の表情からは悦びと欲望が滲むようです。春画を元にした油彩画は、コシノが目指す和洋の美の融合とも繋がります。
本展では、金子の“EROS”の真髄とも言える、重厚な油彩人物画とドローイングを壁面に、そして愛用した品々のある部屋を再現し展示します。そこには私室を覗くような官能的な体験が待っています。コシノは探求を続けていた新作油彩人物画を初披露。軽やかな筆跡の春画シリーズや、力強く塗り込めた肖像画など、さまざまな男女を描き出します。二人の描く“EROS”が融けて絡み合う。生の本能を讃える二人が贈る、最も淫らで最も崇高なドラマをご高覧ください。